最近の更新記事
最近更新した記事はこの2本です。どうぞ!
「【考察】久保とフェキル取るならどっち?」
http://football-tacticalanalysis-coffee.com/kuboorfekir-arsenalstransferwindow
「【クラシックマッチレビュー】08/09プレミアリーグ第34節アーセナル対リヴァプール アルシャビンがアンフィールドの歴史に名を刻んだ日」
http://football-tacticalanalysis-coffee.com/classicmatchreview-arsenalliverpool
【特別企画・第3回】選手の適材適所
第1回、第2回と連載してきたこの特別企画も一応今回が最終回の予定です(番外編的なのを作るかもしれないですが)。前回、前々回はここから飛べます↓
soccer-coffee20001113.hatenablog.com
soccer-coffee20001113.hatenablog.com
さて、今回のテーマは「選手の適材適所」
今回は具体例ありきな解説になるのでそこのところお願いします。
・本編
ー今回のテーマは「選手の適材適所」ということですが、これはポジションのことですか?-
ポジションもそうですが、同じポジションでも与える役割によって選手の輝き方は大きく変わります。ですので今回はそこに注目していきたいと思います。
ーなるほど。同じポジションでも違う役割ですか、そんなに変わるものですか?-
変わります。ここからは具体例として、オーバメヤンとジャカを19/20シーズンのエメリ(ユングベリ)とアルテタの下での起用法の違いから解説していきます。
まずはジャカ。エメリ政権下では4-3-3や4-3-1-2のアンカーのポジションがメインで主に中央の位置からゲームメイクを試みていました。
ですが、ジャカは左足のキック精度は素晴らしいですが、プレス耐性の低さと機動力の低さが弱点でした。ですので、アンカーのポジションで使われると、中央で特に3センターで使われると、攻撃時はプレス耐性の低さからプレスをかけられ、そこでのパスミスがあり、守備時はアンカー脇を使われたり、不用意に飛び出してそのスペースを使われるという弱点がありました。その結果低調なパフォーマンスに終始し前半戦のクリスタル・パレス戦のような事態にもつながってしまいました。
アルテタはジャカの特性を理解し長所を引き出し短所が露呈しないメカニズムを作りました。
初期配置は4-2-3-1の左ボランチですが、ビルドアップ時はCBの横に下りてきて3バックを形成し、ジャカにプレスがかかりにくくなりました。これにより、左足での高いキック精度でのパスを生かしやすくなりました。
次にオーバメヤンです。オーバメヤンはエメリ、ユングベリ両名の下ではオーバメヤンがWGの位置から中に入っていくメカニズムがなく、大外のレーンからクロスを入れる役割をオーバメヤンがやらざるを得ない状況でした。これではオーバメヤン最大の長所である得点能力が生かしきれません。
アルテタが就任し、オーバメヤンは左WGの位置から中に絞り裏を狙えるようになり、ストライカーの役割に集中しやすくなりました。そして、オーバメヤンが中に絞る代わりにSBが高い位置をとることで幅をとることもできオーバメヤンが中に絞って幅を取る選手がいないという事にもなりません。
-いる選手の力を最大限引き出すためにも選手に得意な事をさせる必要があるんですね。ー
その通りです。そうすることで、選手は活躍し市場価値も上がり、チームも勝利に近づけるわけです。
戦術というのは最終的にはチームを再現性高く勝利に導くために存在しているのです。
・あとがき
今回はいかがだったでしょうか。書いてて少しわかりにくいかもとか脱線してるなって感じはありましたが押し切りましたのでご容赦ください。
普段のマッチレビューよりもより抽象的な事を文字と図に起こしてる感じだったのでとても疲れましたね(笑)
今回も感想、拡散等をお待ちしております。次回以降は何書くかは未定ですが、首を長くしてお待ちください。
【特別企画・第2回】数的優位の形成
みなさんこんにちわ!プレミアリーグの4月30日までの延期が決定してしまいましたね。そんな退屈な週末をいかがお過ごしでしょうか。そして、前回更新の
【特別企画・第1回】戦術ってどうして必要?
soccer-coffee20001113.hatenablog.com
は想像を絶する伸びなささでいささか心が折れそうになりましたが、やめませんよ!というわけで、第2回「数的優位の形成」
この特別企画は連載形式ですので、第1回から読んでくれるとうれしいですが、単体で見ても面白いものに仕上がってる(はず)ですので、どうぞ楽しんでいってください。
・本編
ーでは、今回のメインは”数的優位”ですが、なぜですか?-
例えば、ビルドアップの場面でこちらの最終ラインからのビルドアップと相手の前プレスの人数が同じより、配置のズレを作り、こちらが1人多い状態を作りだしたほうが、ビルドアップに再現性が生まれます。例外はありますが、数は力なりとなる場面が多いのがサッカーだからです。
ー具体例とかありますか?-
あります。せっかくこのブログはアーセナルの試合を今シーズンほとんどマッチレビューなどでお届けしてきましたし、私自身もグーナーですのでアーセナルを例に挙げていきましょう。
例えば、上の図はエメリ政権末期の配置のズレや数的優位が形成されないために4-4-2のプレスをはめられてどうにもならない時の配置です。
そんな中アルテタが就任後初戦から取り入れたのがジャカの左CB化です。こうすることで、ビルドアップの局面では5対4と数的優位の確保に成功します。さらに、最終ラインが2人ではなく3人でボールを回せるので、、相手がツートップでプレスをはめに来てもこちらが1人多い分容易にプレスをはがしてボールを前に進めることが可能です。これがビルドアップ時の数的優位です。
そして、ジャカが左CBの位置から持ち上がり、左足で長短のパスでゲームの組み立てに参加するのですが、左サイドの攻防に注目してみましょう。相手SBはハーフスペースに侵入し、裏抜けを狙うオーバメヤンに注視せざるを得なく、いわばピン止めされた状態です。そして、その大外を駆け上がるのはSBのサカです。この時相手SHは後追いの形でサカを追うかジャカに圧力をかけるのか難しい選択を迫られます。ですので、左サイドで局面的に3対2の数的優位を形成してると言えます。
soccer-coffee20001113.hatenablog.com
27節エヴァートン戦の同点弾はまさにこの形が生かせた攻撃と言えます。SBはオーバメヤンにピン止めされ、その大外を駆け上がるサカにイウォビが後追いでついていきますが、そのためジャカはノープレッシャーで持ち上がっていきサカに左足でパスを出し、サカがクロスを入れ、ヌケティアが押し込む見事な攻めでした。
続いて、右サイドではエジルがハーフスペースに流れ、偽SBの役割で中に絞ったベジェリンと大外に張って仕掛けるペペとで三角形を形成し、ここはポジションチェンジをしながら崩していきます。基本は大外でペペが仕掛け、SBをつり出しSB-CB間の空いたスペースにエジルやベジェリンが走り込み、中に折り返します。この時CBも釣り出されれば中にスペースができますし、来なければフリーで折り返すことができます。この場面も疑似的に3対2の数的優位の形成ができていると言えます。
最後に、アーセナルは相手を押し込んだ際には3-2-5のような配置になります。サカが疑似WGとして大外高い位置を取り、オーバメヤン、エジルが両ハーフスペースに侵入し、5レーンを埋める形となります。そうすることで、アタッキングサードで数的優位を確保できるのはもちろんのこと、ポジションチェンジのルールの明確化とサイドでのトライアングルの形成も容易になります。
ー次回はどうなりますか?-
次回は”選手に得意な事をさせる”をメインテーマにしていきます。
・あとがき
今回の特別企画いかがだったでしょうか?冒頭にも書きましたがこの特別企画は結構自信あったんですが全然伸びてなくて少し悲しかったりする中の人です。ですので、拡散してくれるとうれしいですし、モチベーションにも直結します。そして、感想等をいただけたら、今後の記事の向上にもつながりますし、あとやっぱりモチベーションも上がりますのでどんどんください。それでは次回、また会いましょう!
【特別企画・第1回】戦術ってどうして必要?
皆さんおはこんばんにちわ。新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断し、その猛威が気づけばヨーロッパにも影響が拡大、CL、ELは一部の試合が延期や無観客試合となり、国内リーグもセリエ、ラ・リーガ、エールデビジ、プレミアと多くのリーグが中断に追い込まれる事態になってしまいました。プレミアリーグは4月3日までの延期になっていますが、どうやら状況を確認する時間の確保が目的らしく5月以降の再開が現実的というのが現地の見方らしいです。
そんなこんなでしばらく試合がないのが確定しましたので皆さん退屈な週末を過ごしていると思います(中の人も同じく試合のない週末で退屈です)。というわけで少しばかり戦術観について書いていきます。
題して、「戦術ってどうして必要?」
第1回は個人的に考える戦術の原則みたいなものを書いていきます。
・本編
ーそもそもどうして戦術って必要なんですか?-
一言でいうと”勝つため”なんですが、さすがにそれは当たり前すぎるのでもう少し踏み込んで”再現性を持たせて勝利するため”と言いましょう。
ブルーロックというマガジンで連載しているサッカー漫画があるんですけど、その漫画は一言でまとめると「日本にはワールドクラスのストライカーがいない!だからW杯で勝てない。よし、素質ある若手集めて世界一のストライカーを作ろう!」という漫画です。その中で個人的に興味深いセリフがありました。それは作中でブルーロックを作ったその人である絵心甚八(えごじんぱち)は世界一のストライカーに求められるのは「ゴールの再現性」だと言います。
自分の武器が、いつ、どのような状況でゴールを奪えたのかを徹底的に分析し、己のゴールの方程式を手に入れる。
1秒ごとに移り変わる戦場の中で「たまたま勝つ」のではなく「勝つべくして勝つ」。
「それが成功を爆発的に量産する、世界一のストライカーという存在だ」と絵心は言います。
自分はこの「ゴールの再現性」「己のゴールを産み出すための”方程式”」はサッカー全体の戦術にも通じるものだと思います。
例えば、ゴラッソでもぎ取ったゴールでの勝利なんかは「たまたま」うまくいった産物だと思います。もちろん、それは悪いことではないですが、それありきでチームを組み立てることはナンセンスです。戦術は絵心風に言うと「勝利の再現性」「勝利への方程式」だと考えています。
シティのよく用いていたWGがSB釣り出してCBとの間のハーフスペースにスペースができ、そこにIHが走りこんでマイナスに折り返しそれを押し込む。この時マイナスに折り返すことでマーカーは視野のリセットを余儀なくされるため難しい対応になり、ゴールの可能性が高まります。このように、戦術によりゴールの再現性を高めることで勝利に近づけます。
ー戦術って一部の監督しか持ち合わせていないんですか?-
いいえ。戦術には監督のカラーも反映されるため上手く行くかはさておきどのチームにも多かれ少なかれ戦術はあります。(森保さんみたくピッチ上になにも反映されてない監督もいますが)
脱線しましたが話を戻しますと、良い監督は再現性を高めるために戦術を組む監督と相手の再現性を下げる監督の2パターンがいます。
前者は自分たちがボールを持ち相手を崩していくポジショナルプレーを志向するサッカーを展開するチームと監督です。
(例:グアルディオラやアルテタなど)
そして、後者は相手の長所を潰したり強固なブロックを築き相手の再現性を低くさせる戦術を取り、自チームの再現性を相対的に高めるチームと監督です。
というわけでまずは前者のタイプの戦術から掘り下げていきます。
ー再現性を高めるためには何が必要?ー
再現性を高めるには個人の能力より数的優位を作ったり配置のズレを作り出すことによってボールを前に運びゴールに近づくことが大事です。メッシレベルになれば個人でどうにかできますが、セティエンバルサではメッシが役割過多になり、機能不全気味になっているのが現実です。
そのため、戦術において大事なことは2つあると思っています。それは”数的優位の形成”と”選手に得意な事をさせる”という事です。
ー選手に得意な事をさせるというと個人の能力依存ではないのですか?-
そうとも言えますが、完全に依存しきっているわけではありません。選手にはそれぞれ長所と短所があります。ですので、その長所を引き出せるメカニズムを作り、選手にそれぞれ得意な事をさせた方が上手く行くのは道理ですし、選手のパフォーマンスが偶発的なものだとしても得意な事をさせた方が確率は向上します。
ー今回はここまで、ありがとうございました。次回はどうしますか?-
次回は”数的優位の形成”をメインに語っていきたいと思います。それから、次回以降はアーセナルをメインや例えにしていきたいと思います。
週1か週2で更新出来たらなって思ってます。
・あとがき
今回は書き方の趣向を少し変えてインタビューとかの文字起こしみたいにしてみましたが、いかがだったでしょうか。内容の関係で今回は図が少なめになりましたが、次回以降は図に関してはまた通常運転に戻る予定です。それから、今回は初めてTACTICAListaを使ってみましたが普段のfootballtacticsと比べてどうだったでしょうか。この特別企画はTACTICAListaを使う予定ですが、どっちの方が見やすいとかあればどんどんください。
そして、感想もいつも待ってますし拡散してくれるとうれしいです。次回、「数的優位の形成」お楽しみに!
【マッチレビュー】リヴァプール対アトレティコ・マドリード~シメオネイズムは終わらない~
アーセナル対シティが新型コロナの影響で延期になったので急遽リアルタイムでCLリヴァプール対アトレティコ見れたのでマッチレビューをお届けします。ということで、おはこんばんにちわ。新型コロナの影響が各所に出ててついにるがーにが感染し、選手にも影響が出始めてるのが怖い所です。
・試合概要
・得点
43分ワイナルドゥム1-0
94分フィルミーノ2-0
97分2-1マルコス・ジョレンテ
105+1分2-2マルコス・ジョレンテ
120+1分2-3モラタ
・途中出場
105分オリギinワイナルドゥムout
113分南野inフィルミーノout
90分ヴルサリコinトリッピアーout
103分モラタinフェリックスout
105分ヒメネスinコレアout
・左右の守備の堅さの差
・右サイドの攻防
先制点のシーンはだれがだれをどこを見るかの曖昧さからチェンバレンに好きにさせたところからクロスを上げさせてしまいました。ハーフスペースから流れたチェンバレンにロディがついていくも後追いになり、そこにサラーからのパスが来てキレイにクロスを上げられた形になりました。
また、ロディの対応の軽さもハーフスペースを塞ぐ選手に選択肢の多さを与えてしまい、それもハーフスペースの対応に影響していたと思います。
延長開始直後、ワイナルドゥムにロディがかわされたところからクロスを入れられ、フィルミーノのヘッド、一度はポストに阻まれるもこぼれ球を押し込んで2戦合計で勝ち越しに成功。このシーンでも守備の軽さが目立った結果となりました。
・左サイドの攻防
対する左サイドはハーフスペースの塞ぎ方はかなりいいものでした。ハーフスペースにはボランチのトーマスやサイドハーフのジョレンテが塞いでいました。また、トリッピアーのマネとのマッチアップ時の対応も見事でした。マネからボールを奪いきれないまでも選択肢を限定する守り方、特にハーフスペースへのコースを切りながら縦、またはカットインのみに選択肢を絞ることでその後の守備対応にも繋げています。
・リヴァプールの敗因
1.アドリアンのミス
2.最後の寄せの甘さ
2戦合計2-2でアウェイゴールでリードを奪ったアトレティコ。このゴールに関しては9割方アドリアンのミスが責任と言えます。アドリアンのパスミスがジョアン・フェリックスの足元に、ジョアン・フェリックスからマルコス・ジョレンテにパスが入りそこから、ジョレンテの見事なミドルがゴールマウスをこじ開けました。
104分にフィルミーノからボール奪取したところからロングカウンターが発動。モラタがかなりの距離持ち上がり、その脇をマルコス・ジョレンテが駆け上がるも、局面としては2対3のような状況です。しかし、ジョレンテが中央に位置を取り直すことでモラタのみにプレスをかけられない状況になりファイナルサードまで持ち上がられるとジョレンテにパスを出されます。
数的優位で守りながらもここまで持ち上がられ、最終的にはジョレンテのゴラッソでアトレティコが2戦合計での勝ち越しに成功。この2点目に関してはジョレンテのゴラッソ、1点目はアドリアンのミスという要因もありますが、どちらも寄せの甘さが目立ちます。1点目はアーノルドがもう少し寄せられたと思いますし、2点目は数的優位で守ってたのだからなおさら誰かがチャレンジすべき場面だったと思います。
アドリアンの致命的なパスミスはあの1本ですが、他のシーンでもビルドアップ時にがっつりマークに付かれてる選手にパスを出すシーンはありましたし、後半のジョアンフェリックスのミドルに対する対応からもミドルシュートでの不安感はありました。つまり、どちらもいつか起こりうる失点だと思います。
・延長後半の攻防
延長後半になり、アトレティコはヒメネスを投入し5-4-1に変化、リヴァプールはファビーニョ、南野を投入、さらに攻撃時はファンダイクが最前線に上がり両SBも高い位置を取り1-2-7のような布陣になりました。南野の見事な精密クロスなどチャンスもありますが、欧州1ともいえるアトレティコの守備陣が水際ですべてを防ぎます。
すると試合終了間際、モラタがジョレンテに落とすとジョレンテが裏へスルーパスを送り、それをモラタが沈めダメ押し弾を決めました。この試合途中出場のマルコス・ジョレンテが2G1A、モラタが1G1Aと結果としては交代策がはまった形になりました。
・オブラクの存在
この試合被シュート数は34本でオブラクはセーブ数9という驚異的な数字を記録しました。そのどれもがチームを救うビックセーブでしたし、オブラクがいなければこの勝利はなかったと言えるでしょう。
しかし、決してオブラクだけの力でもありません。リヴァプールのブロックされたシュートが7本なことからもチーム全体が体を張り、ゴールを守る意識が伝わってきますし、4-4-2のブロックでスライドして守り切るのも並大抵のことではありません。
・最後に
1stレグのオブラクにもこの試合のアドリアンと同じようなパスミスがありましたが、オフサイドでノーゴール、この試合も決まってもおかしくないシュートがポストに嫌われたり、運の無さもこの試合の勝敗を分けた重要なファクターだったと言えます。
リヴァプールイレブンもよく走りましたが、ロバートソンの1stレグ後のコメントで「次はアンフィールド」みたいなコメントもありましたし、1,2失点目の寄せの甘さなどどこか心の隙があったようにも感じますし、そこがアトレティコとの決定的な差になったのではないでしょうか。その点アトレティコはシメオネ・イズムを体現していました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。次回は週末のアーセナル対ブライトンのマッチレビューになります。まあ、開催されればなんですけどね。拡散、感想はとてもうれしいのでじゃんじゃんください!では、次回会いましょう!
【マッチレビュー】アーセナル対ウェストハム~塩試合の中貴重な勝ち点3~
ワードプレス使おうと思ってもなかなか難しくて勉強中の中おはこんばんにちわ。12月にはアーセナルがCL出場権を狙える位置にいるなんて思いもしませんでしたね。ですが、現実に今その位置につけています。ここからは勝ち点の取りこぼしが許されない状況、まずはウェストハム戦のマッチレビューです!
・試合概要
・得点
78分ラカゼット1-0
・途中交代
59分ラカゼットinヌケティアout
69分ネルソンinペペout
89分ベジェリンinエジルout
81分ソウチェルinノーブルout
87分フェリペアンデルソンinフォルナルスout
90分スノッドグラスinボーウェンout
・ビルドアップにおける役割分担
以前はジャカは3バックの一角としてビルドアップ時にはふるまってましたが、最近ではより高い位置でのプレー回数が増えてきています。ですが、変わらないのはジャカの主戦場となるレーンははアルテタ政権の初期同様に左の大外のレーンかハーフレーンということです。エメリ政権ではジャカはアンカーの位置で起用されてましたが、アンカーだとジャカのプレス耐性の低さとスピードの無さが露呈するばかりでしたが、今の起用法ならそのどちらもあまり露呈することなく高いキック精度の左足でパスを散らすことができます。
そして、セバージョスは中央でのビルドアップを担当します。セバージョスのエジルやヌケティアへの縦パスは攻撃のスイッチになることも多くそこから攻撃が加速するシーンも多くありました。そして、縦パスだけでなく横や斜めのパスでも視野の広さを存分に披露していました。
ヒートマップでも2人の役割分担は一目瞭然です。
また、この試合のウェストハムは中央にボールがある時は4-4-2でがっつりはめにきていたため、セバージョスがダウンスリー(アンカー落ち)に近い形で降りていき数的優位の確保に成功しました。4-4-2でプレスがはまった状態では高い位置で奪われることもあり危険なシーンがありましたが、数的優位を確保した際はウェストハムのプレスのかけ方が不明瞭になったように感じました。
攻撃時に中央にいたセバージョスはこの試合、被カウンター時にも守備面で大きな仕事をします。前線からのプレスでコースが限定されていたとはいえ中盤のフィルター役として見事な働きぶりを見せ、結果として攻守にわたり見事なスタッツを記録しました。
Dani Ceballos for Arsenal against West Ham:
— afcstuff (@afcstuff) 2020年3月7日
Most touches (121)
Most passes completed (86)
Most recoveries (14)
Most interceptions (6)
Most tackles (5)
Most fouls won (2)
[@Squawka] #afc pic.twitter.com/zV500vlhP8
・ソクラティス右SBのメリットデメリット
守備時には対面のフォルナルスやサイドに流れてくるアントニオの仕掛けに対して簡単にぶっちぎられるリスクが下がるのはソクラティス起用のメリットです。ここ数試合、ベジェリンはサンマクシマンをはじめ対面のアタッカーの仕掛けに対して後手を踏み、簡単に突破を許すシーンが多くありました。そこから決定機を作られるシーンもありましたしアーセナルの急所になりつつありました。その前はナイルズがザハを封殺したりしてた分余計に物足りなく感じました。
さらに、空中戦の競り合いで強く出れるのもソクラティスのメリットです。
このように、守備時は概ねメリットが多いです。ですが、攻撃面では・・・
攻撃時に上がってきてほしい時、場所にソクラティスは全然上がってきません(そもそも元がCBの選手にタイミングのいい上がりを期待する方が無茶なんですが...)。ソクラティスが上がってこないと、右のハーフスペースを使う選手がいなくなり、エジルがそこに下りてきてそこからエジルが展開するシーンが目立ちました。こうなるとバイタルエリアでパスを散らす選手がいません。セバージョスが高い位置を取って何とかしようとしますが、4-4-2で引いて中央を固める相手に1人で崩させるのは酷というものです。
このように、ソクラティスが上がらないがゆえにエジルがサイドに流れざるを得なくなるのはソクラティス右SB起用のデメリットです。
・先制点
サカの仕掛けからオーバメヤンのシュートはブロックされるもそのこぼれ球にエジルが抜け出し頭で繋ぎラカゼットのゴール!エジルの今シーズン2アシスト目、ラカゼットの今シーズン7ゴール目を記録しました。一度はオフサイドフラッグが上がりましたがVARの末オンサイドの判定、ゴールは無事認められました。長いシーズンVARや審判がほとんどの場面でアーセナルを落としてきましたが、今シーズン2度目のVARに感謝する場面がやってきました(一度目は年内のユナイテッド戦のオーバメヤンのゴール)。
・最後に
この試合は決して内容は良くはありませんでした。ですが、17/18シーズンのシティも今シーズンのリヴァプールも決して連勝中すべての試合が内容も良かったわけではありません。ですが、そんな中勝ち点3を拾うことが大事だと思います。塩試合の中得たこの貴重な勝ち、次のシティ戦に向けて弾みはついたと思います。
今回もここまで読んでいただきありがとうございました。感想、拡散はめっちゃうれしいのでどんどんお願いします。
ごめん、CLアトレティコ対リヴァプールは見れません。アーセナル対シティを見ます。アーセナルのCL出場権に向けて大事な一戦です。......本当は、CL2ndレグが恋しいけれど、でも今はもう少しだけ、知らないふりをします。この試合も、きっと来季のアーセナルのCL出場権に繋がるから#COYG
— こーひーG党、新参グーナー@はてなブログでブログやってます (@coffee20001113) 2020年3月7日
そして、延期になったシティ戦が水曜という事でCLアトレティコ対リヴァプール2ndレグのマッチレビューは遅くなるかお休みするかもしれません。
では、次回、シティ戦後に会いましょう!
【マッチレビュー】アーセナル対ポーツマス~EL敗戦からの立ち直りを目指すガナーズ~
おはこんばんにちわ、旅行から帰ってきてマッチレビューを書いてる今日この頃。リヴァプールの無敗が途切れましたし、そっちのマッチレビューにしようかとも思いましたが、やはり、このブログの趣旨としてもアーセナルの試合を扱うべきかとも思いましたのでこちらのマッチレビューにします。
・試合概要
・得点
45+4分ソクラティス1-0
51分エンケティア2-0
・途中交代
16分セバージョスinトレイラout
87分ジャカinウィロックout
90+1分ナイルズinネルソンout
67分マルキスinハリソンout
カーティスinハーネスout
74分キャノンinエヴァンスout
・ポーツマスの守り方
今日は普段とは違いダビドルイスが右CBに入り、パブロマリが左CBに入りデビューを飾りました。ビルドアップ時は右SBのソクラティスが中に絞り偽SBの役割をこなしていました。
ポーツマスはダビドルイスにボールが入った際にはパブロマリ、ゲンドゥージにはマンマークがつき、その後ろ中盤4枚が前線に蓋をし、露骨にソクラティスへのパスコースを残し他のコースを遮断する守り方をしていました。ダビドルイスも序盤は慣れない右CBだったからか前線へのフィードがずれる場面もありましたが、時間とともに改善していましたし、なによりソクラティスも依然と比べボールを持つことに対する怖さがなくなったような印象です。
・ネルソンの躍動
CKのクリアボールをセバージョスが回収し、ネルソンがクロスを放り込みソクラティスが見事なボレーで先制。マルティネッリらがラインを押し下げて、その後方から走りこんでボレーで沈め先制しました。前に取り消されたゴール含め、ソクラティスはボレー上手いのでは説浮上中です(笑)
後半開始直後、ネルソンのドリブル突破からのクロスにエンケティアが2人の間から抜け出してワントラップ挟んでの見事なゴール。エヴァートン戦に続きマークをかいくぐっての抜け出し方とクロスへの合わせ方は一級品でラカゼットにも勝ると言えるでしょう。対して、ボールの収め方と難しい体勢でのシュート等はラカゼットが上回っていると言えます。
話が逸れましたが、ネルソンの2アシストの速いクロスはどちらもピンポイントで見事なものでした。そして、ペペにはない武器ですし縦への突破を得意とするネルソンとマッチしています。左のサカと合わせて大外のレーンからの高精度のクロスは中に合わせる選手がいればかなりの強みになります。ホッヘンハイムへのレンタル、アルテタの就任で一皮も二川も化けたリース・ネルソン。このまま行けば近い将来彼の親友のジェイドン・サンチョとスリーライオンズ(イングランド代表の愛称)の両翼を担う事でしょう。
・パブロマリデビュー
冬の移籍市場で降らメン後から加入した異色の経歴の26歳スペイン人DFがついにトップチームでデビューを飾りました。この試合、右CBに入ったダビドルイスの右足とパブロマリの左足による対角線のロングフィードは効果的に前へのボールを供給できていました。
パス成功率はゲンドゥージ、ダビドルイスに次ぐスタッツを記録、空中戦、地上戦でも安定した強さを披露した中、特筆すべきはロングパスです。ダビドルイスが9本中5本なことを考慮すると17本中13本成功というのは出色の出来と言えます。アーセナルの前線はルカクみたいにアバウトなロングボールを収められるようなフィジカルの選手がいない中この数字というのは、フリーの選手を見つけるのが上手いのと、なおかつキック制度が素晴らしいからでしょう。実際見てる印象として、キックの質はダビドルイスに比肩するものに感じました。CBとしてのソクラティスより上の序列と言っていいでしょう。
・最後に
とにかくFA杯ベスト8一番乗りを決められたのは幸いです。ネルソンはぺぺとポジションを争えるレベルにあることは明白ですし、タイプが違うため併用もできるでしょう。マルティネッリもゴールはありませんでしたが、動きはかなりよかったですし、パブロマリもフィットしてる感じでここからのラストスパートに向けてポジティブなものが多いです。ただ、トレイラの負傷は気がかりです。重症ではないようですが、離脱期間も不明ですし、早く戦列復帰できることを祈っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。毎度のことですが、拡散、感想はとてもうれしいのでお待ちしてます!次回はウェストハム戦になります。そして、カラバオ杯決勝の影響で延期になったシティ戦もいつになるか気になるところです。